2020年に小学校での必修化が決まり、最近、何かと話題になっているプログラミング教育について、「なぜ今プログラミング教育なのか」という疑問を解消していくシリーズの第2弾です。第1弾の社会的背景に続いて、今回は文部科学省の目指す方向性についてお伝えします。
2.文部科学省の方針と考え方
文部科学省は初等・中等教育において児童・生徒が学ぶべき教育内容を定めた学習指導要領を定期的(約10年おき)に改訂しています。今回予定されている学習指導要領の改訂にあたっては、前述の社会的背景やOECDの学習到達度調査(PISA)を踏まえて、VUCA[Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)]な時代を生き抜くために不可欠とされる21世紀型スキルの育成を念頭においた大規模な教育改革が行われます。すでにメディアでも話題になっている大学入試センター試験を廃止して新たに「大学入学共通テスト」が行われる(高大接続改革と言われています)こともその一環で、小学校においては、英語の教科化とプログラミング教育の必修化が大きな目玉となっています。実は、このプログラミング教育必修化と、高大接続改革は別軸のものではなく、1つの線で繋がっているものなのです。その根底にあるのが、学力の3要素という考え方です。3要素とは、<1.知識・技能><2.思考力・判断力・表現力><3.主体性・多様性・協働性>を言います。文部科学省が小学校におけるプログラミング教育に求めているものは、いわゆるソースコードを組む「コーディング」のスキルではなく、どのよう構造でプログラミングをしてロボットやコンピュータに命令を与えて制御することができるのかその仕組みを学ぶ、つまり「プログラミング的思考」を身につけることです。プログラミング的思考は、学力の3要素の2番目と3番目と深く関わっています。