- 公開日:2017-2-15 最終更新日:2017-2-27
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Illustrator(イラストレーター)でトンボをつける作業は、名刺やチラシ、DMなどの印刷物を作成するために必要な工程です。今回は、トンボをつけなければいけない理由とトンボの作成方法などを学びましょう。
Illustratorのトンボは何のために必要?
Illustratorで作成したデータは、印刷所に入稿、印刷してもらうことで名刺やチラシ、DMなどのかたちになります。
印刷所では、入稿データを印刷をした後、まとめて断裁します。その断裁の目安として必要なものがトンボ(トリムマーク)です。トンボがついていないと、断裁位置がわからないため入稿できません。
トンボを設定する方法
1.トンボの構成について
トンボは原稿の四隅と、四隅の中間にそれぞれ設定され、設定された位置によって呼び名が異なります。トンボの構成についてみてみましょう。
- 内トンボ
内トンボの位置を目安に断裁されるため、仕上がりのサイズが内トンボの位置なります。 - 外トンボ
内トンボから外側に3mmの位置にあります。余白を設けずギリギリまで写真や背景を入れたい場合、断裁後に思わぬ余白ができないように外トンボの位置までデータを作るようにしましょう。 - センタートンボ
印刷物の中心をしめす目印のことです。印刷の工程で必要な目印となります。 - 塗り足し
塗り足しの範囲内で断裁されるため、切り落とされることを想定してデザインします。
また、トンボは海外と日本で形状が若干異なるため、日本の印刷所に入稿する際には日本式のトンボをつけることが必要です。
もし、上記の画像のようなトンボがつけられない場合は「環境設定」から「一般」>「日本式トンボを使用」にチェックを入れ、日本式のトンボを作成できるようにしましょう。
2.トンボのつけ方
トンボをつける操作は、Illustratorのバージョンによって若干異なります。ですが、基本的な考え方は同じです。
- CS5~CC2017
メニューの「オブジェクト」>「トリムマークを作成」 - CS4
メニューの「編集」>「コピー」、メニューの「編集」>「前面ペースト」、メニューの「効果」>「トリムマーク」、メニューの「オブジェクト」>「アピアランスの分割」 - CS4より前のバージョン
メニューの「フィルタ」から「クリエイト」>「トリムマーク」
それでは実際にトンボをつけてみましょう。(ここではCS2を使用し、トンボを作成しました。)
- Illustratorで新規ファイルを作成します。はがきサイズのDMを印刷することを想定し、ドキュメントのサイズは、はがきサイズよりも大きいA4サイズを選択します。仕上がりサイズでドキュメントを作成してしまうと、トンボをつける余地がないので気をつけましょう。
- 長方形ツールではがきサイズ148mm×100mmのオブジェクトを作成し、整列パネルでトンボの縦横を垂直・水平に整列させ中央に配置します。整列パネルはメニューの「ウィンドウ」>「整列」で表示されます。
- メニューの「フィルタ」から「クリエイト」>「トリムマーク」でトンボを作成します。(それぞれのバージョンの方法に従ってください。)
- 仕上がりサイズ、塗り足し部分、文字切れ位置、それぞれの位置がわかりやすいように、ガイドを作成します。
- 仕上がりサイズのガイド作成方法
新規レイヤーを追加し、トンボを設定したオブジェクトの大きさ148mm×100mmのオブジェクトを選択します。メニューの「表示」から「ガイド」>「ガイドを作成」をクリックします。
- 仕上がりサイズのガイド作成方法
- 塗り足し部分のガイド作成方法
仕上がり線のガイドを作成するために作ったオブジェクトを選択し、メニューの「オブジェクト」から「パス」>「パスのオフセット」で3mm大きいオブジェクトを作成しましょう。メニューの「表示」から「ガイド」>「ガイドを作成」をクリックします。
- 文字切れ位置のガイド作成方法
仕上がり線のガイドを作成するために作ったオブジェクトを選択し、メニューの「オブジェクト」>「パスのオフセット」で-3mm小さいオブジェクトを作成しましょう。メニューの「表示」から「ガイド」>「ガイドを作成」をクリックします。
仕上がりサイズギリギリまで文字を入れてしまうと文字が見切れる原因になります。文字切れ位置をしっかり把握するためにもガイドを作成しましょう。
また、データを入稿する前に必ず文字のアウトライン化を行っておきましょう。
※文字のアウトライン化についてはこちらをご覧ください。
トンボを解除するには
印刷物用として作成したデータをWEBに流用したいという場合は、トンボが不要となります。
- メニューの「オブジェクト」から「トンボ」>「解除」で解除できます。解除できない場合、選択ツールでトンボを選択し、削除しましょう。
※トンボが削除できない場合、レイヤーにロックがかかっていないかチェックしましょう。
さいごに
Illustratorのトンボについて学んできました。トンボがついていないと印刷を受け付けてもらえません。印刷所にデータを持ち込む前に、必ずトンボの有無を確認しましょう。
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